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複数祖先集団での2型糖尿病:複数祖先集団のゲノムワイドメタ解析から得られた2型糖尿病の感受性に関する遺伝的構造の手掛かり

Nature Genetics 46, 3 doi: 10.1038/ng.2897

本論文では、2型糖尿病(T2D)に対する感受性についての遺伝的基盤のさらなる解明を目的として、すでに発表されているゲノムワイド関連解析(GWAS)のメタ解析データを統合して解析した。すなわち解析対象は、ヨーロッパ系、東アジア系、南アジア系、メキシコ系、メキシコ系アメリカ人各集団に属する、T2D患者(症例)の総計26,488人、対照の総計83,964人である。その結果、発症リスクとの関連の根拠としては薄弱なSNPであっても、T2Dリスク対立遺伝子の示す傾向に祖先集団の違いを超えた極めて著しい一致を認めた。続いて、このような複数の人種集団を対象にしたメタ解析でT2Dリスクとの強い関連シグナルを検出したゲノム領域(座位)について、症例21,491人、対照55,647人からなる、別個のヨーロッパ系集団においてその関連再現性を確認する解析を行い、7か所のT2Dリスク領域を新たに同定した。さらに、いくつかのT2Dリスク領域について、頻度の高いバリアント(多型)が示す関連シグナルの詳細な位置決定を行った結果、その解像度は大きく向上した。今回の研究成果は、複雑遺伝形質の責任ゲノム領域の検出および特性解析を目的とした場合に有益な、複数人種を対象としたGWASの利点にスポットを当て、またこのような解析方法をとることで、多様な人種集団に共通するヒト疾患の遺伝的構造や発症機構に関する手掛かりを得る好機がもたらされることを明らかにしている。

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