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カンジダ菌:哺乳類の腸を介する継代がカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の共生を促進する表現型転換の引き金になる

Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2710

約5,000,000の真菌種の中で、カンジダ・アルビカンス(C. albicans)は例外的な存在で、胃腸の微生物叢内の共生菌あるいは侵襲性病原菌として、一生を通じてヒトに関連して生息する。日和見感染は、一般的に、宿主の免疫機能低下が原因とされるが、特異的な微生物プログラムが必要な可能性も考えられる。本論文では、哺乳類の腸へのカンジダ・アルビカンスの曝露が、Wor1転写因子によって駆動される、共生型細胞への発生プログラムの転換の引き金になることを報告する。Wor1の発現は、これまでに、まれな遺伝的背景でのみ観察されており、その場合は、交配における白色型-不透明型の転換を制御している。我々は、マウス消化管を介した野生型細胞の継代が、WOR1の発現そして新規の表現型への転換の引き金になることを示す。その結果生じるGUT(消化管誘導転換)型細胞は、これまでに明らかになっている細胞型(不透明型細胞を含む)とは形態的にも機能的にも異なっており、消化管に最適化されたトランスクリプトームを発現する。この白色型-GUT型の転換は、微生物が異なる遺伝的プログラムを用いて、共生菌と侵襲性病原菌の間を移行する仕組みを明らかにしている。

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