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繊毛:DYX1C1は軸糸ダイニンアセンブリおよび繊毛運動に必要である

Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2707

DYX1C1は、失読症および大脳新皮質の構築における神経細胞の移動に関与しているとされている。Dyx1c1のエキソン2番目から4番目を欠失させたマウスは、予想と異なり、原発性繊毛運動不全症(ジスキネシア:PCD)に類似した表現型を示した。PCDは慢性呼吸器(気道)疾患、器官側性異常、男性不妊を特徴とするヒトの疾患である。これとは別に、ENU(N-ethyl-N-nitrosourea:エチルニトロソ尿素)を用いて変異を誘発したマウスのスクリーニングを行い、Dyx1c1 c.T2Aスタートコドン変異を持つマウスがこの欠失型変異と同一の表現型を示すことを確認した。また、ゼブラフィッシュにおいてdyx1c1を標的としたモルフォリノ処理を行ったところ、同様に器官側性異常(内臓逆位)および繊毛運動不全を引き起こした。 ヒトの場合には、PCD患者12人においてDYX1C1の劣性機能喪失型変異を同定した。マウスおよびヒトのDYX1C1変異型運動繊毛に対して超微細構造解析および免疫蛍光解析を行ったところ、外腕ダイニン(ODA)と内腕ダイニン(IDA)の欠損が明らかになった。DYX1C1は呼吸器上皮細胞の細胞質に局在しており、また、そのインタラクトーム(生体物質間相互作用全体)は分子シャペロンが多くを占め、細胞質ODAおよびIDAのアセンブリ因子であるDNAAF2(KTU)との相互作用が認められた。以上のことから、DYX1C1は新たな軸糸ダイニンアセンブリ因子(DNAAF4)ではないかと考える。

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