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胆管炎:免疫関連疾患領域の高密度遺伝子型決定から原発性硬化性胆管炎の9つの新しいリスク座位が同定される

Nature Genetics 45, 6 doi: 10.1038/ng.2616

原発性硬化性胆管炎(PSC)は、病因は解明されていないが、胆管の繊維性破壊が引き起こされ、最終的には肝移植が必要になる重度の肝疾患である。我々は、ヨーロッパ系のPSC症例3,789例と集団対照25,079例において、130,422個のSNPの遺伝子型をイムノチップにより決定し、症例と対照間での比較を行った。その結果、ヒト白血球抗原(HLA)複合体領域外にゲノムワイドな有意水準で関連を示す12座位を同定した。このうちの9座位は新規座位であるため、既知のPSCリスク座位は16に増加した。PSC症例の72%に併存疾患として炎症性腸疾患(IBD)がみられるにもかかわらず、12座位のうち6座位はIBDよりもPSCと有意に強い関連を示したことから、この2つの疾患の遺伝学的構造はオーバーラップするが、異なるところもあることが示唆された。さらに、臨床的にPSCとの併発がみられる7疾患の関連についての統計学的データを解析に組み込み、さらに33の多面発現性PSCリスク座位を示唆する証拠を見いだした。 ネットワーク解析とともに、これらの知見は、PSCの遺伝学的リスクマップに情報を追加し、また、PSCと他の免疫が仲介する疾患との関係をさらに詳しく説明するものである。

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