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イネ:IAA-グルコース加水分解酵素遺伝子TGW6の機能喪失はイネの粒重を増大させて収量を増加させる

Nature Genetics 45, 6 doi: 10.1038/ng.2612

世界人口の過半数にとって主要作物であるイネの収量増加は、急速な人口増加を支えるうえできわめて重要である。粒重は収量を決定づける重要な因子である。今回我々は、遺伝子THOUSAND-GRAIN WEIGHT 6TGW6)をインド在来のイネ品種「カサラス」から単離し、その機能解析を行った。TGW6は、インドール-3-酢酸(IAA)-グルコース加水分解活性を有する新規なタンパク質をコードしている。シンク器官では、日本晴のtgw6が、IAAの供給を制御してシンシチウム形成期から細胞分裂期への移行タイミングに影響を与えることにより、細胞数および粒長を抑制している。特に重要なこととして、カサラスの対立遺伝子における機能喪失は、ソース器官に対する多面発現効果によって粒重を増大させ、収量増加をもたらす。今回の知見は、多くの栽培種の収量特性をさらに改良するうえで、TGW6が有用である可能性を示唆している。

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