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心疾患:心拍数に関連する座位の発見とその心刺激伝導と調律異常への効果

Nature Genetics 45, 6 doi: 10.1038/ng.2610

安静時の心拍数増加は心血管疾患のリスクと死亡率を大きく増加させる。181,171人におよぶ人々についての2段階メタ解析で、心拍数に関連する14の新規座位を発見し、さらに、以前に確立していた7つの座位のすべてについて関連を確認した。ショウジョウバエとゼブラフィッシュでの遺伝子発現の抑制実験では、心拍数制御に関連がある20の遺伝子を11の座位から見つけ、刺激伝導、心臓の発生、拡張性心筋症の病態生理、先天性心不全ないし心臓突然死にかかわる遺伝子の役割を明らかにした。これに加え、心拍数増加の遺伝的感受性は、心刺激伝導系の異常をともなうこと、また、洞不全症候群のリスクは減少させること、そして、心拍数を増加させる遺伝子多様体あるいは減少させる遺伝子多様体のいずれもが心房細動のリスクと関連していることがわかった。我々の知見から、心拍数を制御するメカニズムに新たな知見が得られ、新規の治療標的を見いだすことができた。

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