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紫外線感受性症候群:UVSSA遺伝子の変異は紫外線高感受性症
候群の原因となり、転写と共役したヌクレオチド
除去修復においてRNAポリメラーゼIIoの
プロセシングを損なわせる

Nature Genetics 44, 5 doi: 10.1038/ng.2229

紫外線高感受性症候群(UVSS)は皮膚がんを伴わない光線過敏症を特徴とする遺伝性の皮膚疾患である。臨床的には軽い症状ではあるが、UVSS患者由来の細胞は、コケイン症候群患者の細胞と同様に強い紫外線感受性を示し、活発に転写されている遺伝子のDNA損傷を除去する、転写と共役したヌクレオチド除去修復(TC-NER)が欠損している。7人の既知のUVSS症例のうち3人では、コケイン症候群の原因遺伝子ERCC8あるいはERCC6(それぞれCSACSBとも呼ばれている)に変異がある。残る4人のUVSS症例(そのうちの1人は、ここで初めて示す)は、独立したUVSS-A相補性群を形成するが、原因となる遺伝子はわかっていなかった。次世代ゲノムシークエンシングにより全エキソームの塩基配列を決定したところUVSSA遺伝子(これまではKIAA1530と呼ばれてきた)の変異がUVSS-Aの原因であることを突き止めることができた。UVSSAタンパク質はTC-NER関連因子と相互作用をし、ERCC6複合体を安定化する。さらに、DNA損傷部位で停止したRNAポリメラーゼIIoのユビキチン化を促進する。これらの発見により、動きのとれなくなったRNAポリメラーゼのプロセシングに関する反応機構に対する知見が得られ、各種TC-NER欠損性疾患における臨床所見の違いを説明することができる。

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