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嚢胞性繊維症:複数の頂端側形質膜構成要素が嚢胞性繊維症患者の胎便性イレウス感受性に関連する

Nature Genetics 44, 5 doi: 10.1038/ng.2221

嚢胞性繊維症での胎便性イレウスに関連する多型を、ゲノムワイド関連研究(GWAS)によって罹患者3,763人において同定した。Xq23-24のSLC6A14近傍(最小のP=1.28×10–12はrs3788766)、および1q32.1のSLC26A9近傍(最小のP=9.88×10–9はrs4077468)の2座位の5個のSNPは、表現型の多様性のおよそ5%を占めており、また、罹患者の独立したサンプルにおいて再現性が得られた(n=2,372。それぞれP=0.001およびP=0.0001)。CFTRにおける疾患の原因となる変異が、表面上皮を横断する電解質や体液の流れを変化させるという知識をGWASの結果の順位付けに利用した、仮説に基づいたGWAS
(hypothesis-driven GWAS:GWAS-HD)を行う
ことで、SLC6A14およびSLC26A9の同じSNPとの関連を同定し、また、3番目の溶質輸送体遺伝子SLC9A3のSNPの関与の証拠を確立した。さらに、GWAS-HDから胎便性イレウスとCFTRが存在する頂端側形質膜の構成要素をコードする複数の遺伝子間の関連の証拠が得られた(ジョイント解析による155個の頂端側形質膜遺伝子の検討でのP=0.0002および追試でのP=0.022)。これらの知見から、頂端側形質膜構成要素の活性の調節が嚢胞性繊維症の現在の治療の理論的枠組みを補足できる可能性が示唆される。

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