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がんエピゲノム:エピジェネティックな多型と、正常およびがん組織においてメチル化に差のある領域の確率論的形成

Nature Genetics 44, 11 doi: 10.1038/ng.2442

DNAのメチル化については、正常細胞およびがん細胞での特性解析が徹底的に行われているが、メチル化に差のある領域が形成され、維持され、リプログラミングされる経時的な変動の状態(動態)は、依然として謎のままである。本論文では、各体細胞組織由来の細胞集団内のメチル化パターンが一様ではなく、多型を示すことを報告する。不死化繊維芽細胞の300世代以上にわたるin vitro進化モデルを用いて、平均メチル化と明らかに差が生じる領域におけるメチル化多型の動態を追跡した。この結果、細胞集団平均のメチル化の変動が、局所的で互いに無関係なメチル化の異常を絶え間なく生みだす確率論的過程を介して起こることが示唆された。過程そのものは確率論的特性を示すにもかかわらず、エピジェネティックなリプログラミングはほぼ決定論的に、メチル化の蓄積が起こりやすくなったり、起こりにくくなったりしている座位に通常は出現した。メチル化蓄積の起こりやすさの変動は、ヒストン修飾の変化およびCTCF占有状態の変化と相関していた。そのため細胞集団内のエピジェネティック多型の特性解析は、正常細胞およびがん細胞におけるメチル化の動態を解明するためにきわめて重要である。

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