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神経発生:CHMP1A遺伝子は小脳の発達に必須な調節因子BMI1-INK4Aタンパク質をコードしている

Nature Genetics 44, 11 doi: 10.1038/ng.2425

電荷を持ったMVBタンパク質1A(CHMP1A、別名、クロマチン修飾タンパク質1A)はESCRT-III複合体(エンドソーム輸送選別複合体III)の一員であるが、核マトリクスに局在化し、クロマチン構造の調節に関与するともいわれている。本報告では、ヒトCHMP1A遺伝子の機能喪失性変異により、小脳サイズの減少(橋小脳形成不全)と、大脳皮質のサイズの減少(小脳症)がみられることを示す。CHMP1A遺伝子の変異細胞では、幹細胞増殖の負の調節因子であるINK4A遺伝子の発現が増大し、その増殖が妨げられる。クロマチン免疫沈降の結果から、これらの細胞ではBMIタンパク質による正常なINK4A遺伝子の発現抑制が示唆される。モルフォリンを使ったゼブラフィッシュのchmp1a遺伝子のノックダウンでは、bmi1abmi1b遺伝子のノックダウンでみられるのとよく似た脳の障害が起こり、それらはINK4A遺伝子オーソログのノックダウンで部分的に回復されることから、CHMP1AとBMI1を介したINK4A遺伝子の調節には関連があると示唆される。これらの結果は、CHMP1Aは細胞質のシグナルと、神経中枢システムの前駆細胞の増殖を調節しているBMI1を介したクロマチンの修飾との結びつきを示唆するものである。

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