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非コードRNA:ADAR1の変異はI型インターフェロンのシグネチャーに関連するアイカルディ・ゴーシェ症候群を引き起こす

Nature Genetics 44, 11 doi: 10.1038/ng.2414

RNA特異的アデノシンデアミナーゼ(adenosine deaminase acting on RNA:ADAR)は、二本鎖RNA(dsRNA)においてアデノシンのイノシンへの加水脱アミノ反応を触媒し、その結果、細胞内RNAの情報内容や構造を変化させる可能性がある。特に、そのようなエディティング事象の圧倒的多数は、反復配列DNAであるAlu由来の転写産物に起こるが、非コードRNAのエディティングの生物学的機能は解明されていない。本論文では、ADAR1(別名、ADAR)の変異が、自己免疫疾患のアイカルディ・ゴーシェ症候群(AGS)を引き起こすことを示す。Adar1ヌルマウスのように、ヒトの疾患状態はインターフェロン応答遺伝子の発現上昇に関連していることから、ADAR1がI型インターフェロンシグナル伝達の抑制因子としての役割を担っている可能性が示される。我々は、他のAGS関連タンパク質の研究から得られた最近の知見を考慮し、ADAR1がゲノムの反復要素から生じたdsRNAの細胞内蓄積を制限するかもしれないと推測する。

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