Letter

HIV:HIV-1タンパク質分解酵素と逆転写
酵素の変異に対する影響のシステム解析

Nature Genetics 43, 5 doi: 10.1038/ng.795

ウイルスの進化の定量的な研究とHIV-1の薬剤耐性における適応の全体像の検討は、たくさんの使用可能な薬剤と薬剤耐性変異の存在する現在、きわめて有効な研究である。HIV-1サブタイプBに感染し、通常の薬剤耐性試験を受けている患者から、70,081のウイルス試料を単離し、in vitroで適応を調べ、そのデータセットを解析した。それぞれのウイルス試料について薬剤なしと、15の個々の薬剤の存在下で、in vitroで複製能を測定した。HIV-1タンパク質分解酵素と逆転写酵素の配列に見つかった1,859の単一アミノ酸の変化間の優位性についての相互作用と主要な適応効果を推定するためには、一般化したカーネルリッジ回帰分析を使用した。優位性の相互作用を含むモデルからは、16のさまざまな状況に応じて、平均54.8%の複製能の変動が推定され、主要な適応効果だけに基づいたモデルよりもかなり優れていた。HIV-1タンパク質分解酵素と逆転写酵素の適応の全体像には、強い優位性をもった相互関係がみられることがわかった。

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