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統合失調症:ゲノムワイド関連研究から統合失調症の5個の
新規座位が同定された

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.940

十分な規模のゲノムワイド関連研究(第1段階ではヨーロッパ系の21,856人からなる発見サンプル、第2段階では独立した29,839人からなる追試サンプルを用いた)で、統合失調症に見られる頻度の高い遺伝的多様性について検討した。第1段階と第2段階の統合解析から、統合失調症とゲノムワイドに有意な関連を示す7座位が得られた。このうちの5座位(1p21.3、2q32.3、8p23.2、8q21.3、10q24.32-q24.33)は新規座位で、残りの2座位(6p21.32-p22.1、18q21.2)はこれまでに関連が示されている。最も強い関連(P=1.6×10−11)は、神経発生の調節因子であることが知られている、MIR137(microRNA 137)の推定一次転写産物のイントロン内のrs1625579に見られた。ゲノムワイドな有意水準に達する他の4個の統合失調症座位は、MIR137を標的に含むと予測されることから、MIR137を介する調節異常が予測され、統合失調症のこれまでには知られていない病因機構が示唆される。双極性障害のサンプル(罹患者16,374人と対照14,044人)との共同
解析では、CACNA1C(rs4765905、P=7.0×10−9)、ANK3(rs10994359、P=2.5×10−8)およびITIH3-ITIH4領域(rs2239547、P=7.8×10−9)の3座位がゲノムワイドな有意水準に達した。

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