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加齢性黄斑変性:ゲノムワイド関連研究で日本人の滲出性加齢黄斑変性の感受性座位2つを発見

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.938

加齢黄斑変性(AMD)は世界的にみて、失明を引き起こす最大の原因であり、多くの環境的、遺伝的リスク要因により起こる多因子疾患である。日本人における滲出性AMDのリスクを修飾する遺伝要因を見つけるため、総計1,536人の滲出性AMD患者と18,894人の対照群についてゲノムワイド関連研究を行い、検証試験を行った。CFH (rs800292、P=4.23×10−15)およびARMS2(rs3750847、P=8.67×10−29)に加えて、2つの新規の滲出性AMD感受性座位を見つけた。すなわち、染色体8p21上のTNFRSF10A-LOC389641 (rs13278062、combined P=1.03×10−12、オッズ比=0.73)と、染色体4q12上のREST-C4orf14-POLR2B-IGFBP7(rs1713985、combined P=2.34×10−8、オッズ比=1.30)である。詳細マッピングの結果、TNFRSF10Aの転写活性に変化を与えることが知られているrs13278062が8p21領域で最も強い関連を持つことが示された。この研究は滲出性AMDの病態生理に新しい洞察を加えるものである。

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