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動脈硬化:CHARGEコンソーシアムのゲノムワイド関連
解析のメタ解析により内膜中膜複合体厚と頸動脈
プラークと関連する頻度の高い多型が同定された

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.920

超音波検査によって測定される頸動脈内膜中膜複合体厚(cIMT)および頸動脈プラークは、無症状の動脈硬化に対する確立された測定法で、いずれも将来の心血管系疾患発症を予測するものである。今回、CHARGEコンソーシアムの、9つの大規模研究から得られたヨーロッパ祖先の31,211人を対象にしたゲノムワイド関連解析データのメタ解析を行った。次に、7つの別の研究から得られた11,273人のデータを用いて、我々の結果を支持するエビデンスを探した。複合メタ解析により、頸動脈内膜中膜複合体厚と関連する3つのゲノム領域ならびに、頸動脈プラークの存在と関連する2つの異なった領域を同定した(P<5×10−8)。関連を示したSNPは細胞シグナル伝達、脂質代謝、血圧の恒常性と関連する遺伝子内あるいはその近傍にマッピングされ、そのうちの2つは、CARDIoGRAMコンソーシアムで冠動脈疾患と関連していた(P<0.006)。我々の結果は、無症状の動脈硬化やそれに続く心血管系疾患発症に至る経路に対する新しい洞察を提供しうるものである。

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