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シロイヌナズナ塩基配列決定:複数のシロイヌナズナ集団における全ゲノム
塩基配列決定

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.911

シロイヌナズナは、ユーラシア大陸全体に渡って多くの異なった生息地で自生している。多様な環境に適応するための遺伝的な多様性を同定する土台として、シロイヌナズナの多様な地理的系統を塩基配列決定する1001ゲノムプロジェクトがスタートした。今回、私たちはこのプロジェクトの第一段階として、シロイヌナズナの自生域から8つの地域に生息する80の系統について、集団規模の塩基配列決定を行った。シロイヌナズナのパンゲノム中に見られる多数の大きな挿入や欠失、また小規模の頻度の高い多型の大部分を報告するとともに、それらが遺伝子機能に果たす影響、変異や多型の局所的および集団全体の連鎖についても報告している。自発的に起こる突然変異以外の変異のプロセスが、1000万年前にシロイヌナズナが最も近い近縁種から枝分かれしてから蓄積された変異の分布と、実験室内で観測された分布とを比較することにより同定された。最近の種規模での選択的除去はほとんど起こっておらず、内在的に有害な変異は、辺縁の集団でより一般的なものになっていることがわかった。

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