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tRNA遺伝子:6種類の哺乳類のRNAポリメラーゼ(Pol III)の結合様式は、tRNA遺伝子の間には大きな差があるにもかかわらず、アミノ酸のアイソタイプ間では保存されていることがわかる

Nature Genetics 43, 10 doi: 10.1038/ng.906

RNAポリメラーゼ(Pol III)によるtRNA遺伝子の転写は、遺伝子の配列からタンパク質へと翻訳するアダプターtRNA分子を作り出すのに必須である。マウス、ラット、ヒト、アカゲザル(マカック)、フクロネズミ(オポッサム)の肝臓で、Pol III結合部位をゲノム全域で位置づけたところ、それぞれのtRNA遺伝子へのPol IIIの結合は、その場所と強さについてかなり差異があることがわかった。しかし、Pol III結合を46のアンチコドンについて、アイソタイプアクセプターファミリー、すなわち、21種のアミノ酸によるアイソタイプ別にグループ分けし、tRNAの重複を考慮すると、結合部位は強く保存されていることが明らかになった。同様に、転写的にも、進化的にも異なるマウスのさまざまな組織間で、アミノ酸アイソタイプ別のPol III結合部位には、ほとんど差が見られなかった。個々のtRNA遺伝子の利用は急速に進化したにもかかわらず、機能しているtRNAアイソタイプの合成には強い制約がかかっていると考えられる。

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