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イネ:イネではOsmiR156によるOsSPL14の調節が理想的植物体構造を規定する

Nature Genetics 42, 6 doi: 10.1038/ng.591

現代の農業では、収量の増大が大きな課題となっている。理想的植物体構造(IPA)として知られる新品種植物の開発が、イネの生産能力を既存の高収量品種以上に高める方法として提唱されている。本論文では、半優性量的形質遺伝子座IPA1Ideal Plant Architecture 1)をクローン化し、その特徴を明らかにしたことを示す。IPA1は、イネ植物体の構造を大きく変化させ、穀粒収量を大幅に向上させる。この量的形質遺伝子座はOsSPL14(SQUAMOSA PROMOTER BINDING PROTEIN-LIKE 14)をコードし、in vivoでマイクロRNA(miRNA)OsmiR156によって調節されている。我々は、OsSPL14の点変異がOsmiR156によるOsSPL14の調節を乱し、その結果として分蘖数が少なく、倒伏抵抗性が高く、穀粒収量が増大した「理想的」なイネ植物体が得られることを明らかにした。本研究は、OsSPL14が、優れたイネ新品種の育種を促進することによって、イネの穀物収量増大に寄与する可能性を示唆している。

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