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乳がん:ゲノムワイド関連解析によって乳がんの易罹患性にかかわる新たな遺伝子座が5つ同定された

Nature Genetics 42, 6 doi: 10.1038/ng.586

乳がんは先進国において、女性で最も頻繁にみられるがんである。乳がんの一般的な感受性(易罹患性)対立遺伝子を同定するために、乳がん家族歴がある3,659症例と4,897対照例に対して、582,886のSNPを遺伝子型決定してゲノムワイド関連解析を行った。続いて、有望と思われる関連について、12,576症例と12,223対照例を含む第2段階の解析において評価した。その結果、9番、10番、11番の染色体上に、5つの新たな感受性遺伝子座を同定した(P=4.6×10-7からP=3.2×10-15)。さらに、6q25.1(rs3757318、P=2.9×10-6)、8q24(rs1562430、P=5.8×10-7)、LSP1(rs909116、P=7.3×10-7)の各領域にSNPを同定した。これらのSNPと発症リスクとの関連は、既に報告されているSNPよりもより有意であった。また、これまでに同定されている乳がん感受性遺伝子座は、これまでの集団にもとづく解析に比べて、今回の家族性乳がんに関する解析においてより大きな効果量を示すことがわかった。この知見は、乳がん感受性遺伝子が複数であるとするモデルに一致するものである。

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