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DNAメチル化:マウスの初期発生におけるプロモーターDNAのメチル化の標的とダイナミクス

Nature Genetics 42, 12 doi: 10.1038/ng.708

DNAのメチル化は、哺乳類の初期発生期に広範囲にプログラミングし直されるが、ゲノムでのこのメチル化の標的はほとんどわかっていない。少数の細胞のメチル化DNAの免疫沈降を最適化し、マウス胚細胞系譜の初期発生期におけるin vivo DNAメチル化のプロファイルを作成した。胚盤胞から着床後の胚盤葉上層への遷移段階では、着床中に主要なエピジェネティックなスイッチが観察された。この時期のDNAのメチル化は、主として生殖細胞系列の発現プログラムを抑制するように標的されている。胚盤葉上層でのDNAのメチル化もまた細胞系列に特異的な、例えば増血に作用する遺伝子のプロモーターが標的になっており、この遺伝子のプロモーターはその後、最終分化する際には脱メチルされる。初期胚の発生ではde novoのメチル化はDnmt3bにより触媒され、DNAがメチル化されないと、胚では正常ではない位置での遺伝子の活性化につながる。さらに、両親由来の接合子からプロモーターDNAのメチル化が受け継がれるインプリンティングのない遺伝子が同定され、このことは受精後のDNAのメチル化の再プログラム化を免れたものがマウスゲノムではありふれていることを示唆している。

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