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神経の発生:NMDA受容体の制御サブユニットをコードするGRIN2AGRIN2Bの変異はさまざまな神経発生の表現型をもたらす

Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.677

N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体は哺乳類の脳で興奮性の神経伝達を仲介する。2つのグリシン結合性NR1サブユニットと2つのグルタミン結合性NR2サブユニットはそれぞれ高度のCa2+透過性陽イオンチャネルを構成し、それらは細胞外のMg2+により電圧に依存して抑制される。NMDA受容体のサブユニットであるNR2BおよびNR2AをコードするGRIN2BGRIN2Aのいずれかが、精神遅滞、癲癇あるいはその合併症の患者で染色体転座の切断点で壊されていることがわかった。精神遅滞の患者468人のGRIN2Bの塩基配列を調べたところ、4例の新規突然変異、すなわち1例のフレームシフト変異、1例のミスセンス変異、2例のスプライス部位の変異が見つかった。これとは別の、原因不明の癲癇で精神遅滞を伴うあるいは伴わない127人のコホートでは、3世代の家族でGRIN2Aのノンセンス変異を発見した。早期発症の癲癇性脳症の女児では、GRIN2Aにアミノ酸置換p.N615Kを起こす新規突然変異c.1845C>Aを見つけた。NR1-NR2AN615K(p.N615K変異をもつNR2Aサブユニット)の受容体電流の解析により、Mg2+によるブロックが喪失すること、Ca2+透過性が減少することを明らかにした。われわれの所見は発育過程で神経の電気生理的バランスの乱れが、NMDAのNR2サブユニットの変化のあり方によってさまざまな神経学的な表現形をもたらすことを示唆している。

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