Article

血圧:血圧と高血圧のゲノムワイド関連解析

Nature Genetics 41, 6 doi: 10.1038/ng.384

血圧は心血管疾患の主要な危険因子である。これまでに、血圧の個人差に関連する多型はほとんど同定されておらず、また再現性もみられていない。我々はCHARGEコンソーシアム(n=29,136)の対象に対し、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)および高血圧に対するゲノムワイド関連解析を行い、P<4×10−7のレベルで、SBPに関連する13 SNP、DBPに関連する20 SNP、高血圧に関連する10SNPを同定した。SBPとDBPに関連する上位10の遺伝子座が危険スコアに取り入れられた。その結果リスク対立遺伝子をもつ数に応じて平均BPと高血圧の有病率が増加した。おのおのの形質について10のCHARGE SNPを、グローバルBPgen コンソーシアム(n=34,433)を組み込んだメタ解析に含めると、SBPに対して4つのCHARGE遺伝子座(ATP2B1CYP17A1PLEKHA7SH2B3)がゲノムワイドな有意性(P<5×10−8)を認め、6つの遺伝子座(ATP2B1CACNB2CSK-ULK3SH2B3TBX3-TBX5ULK4)がDBPと、また1つ(ATP2B1)の遺伝子座が高血圧との有意な関連を認めた。血圧と関連する遺伝子を同定することは、血圧調節に対する我々の理解を深め、高血圧の予防あるいは治療のための創薬標的に光をあてるものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度