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骨髄腫瘍:高頻度のJAK2ハプロタイプによって骨髄増殖性腫瘍に対する感受性が増加する

Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.341

ゲノムワイド関連解析によって、疾患感受性を担ういくつもの新しい座位、すなわち複数のSNPで決まるハプロタイプが同定されている。疾患関連ハプロタイプを構成するSNPは、遺伝子発現、あるいは遺伝子がコードするタンパク質の発現に影響を及ぼすと考えられる。我々は骨髄増殖性腫瘍におけるJAK2遺伝子について検証を重ね、疾患との関連が説明可能なハプロタイプの新たな特性を明らかにした。まず、体細胞で起きた、JAK2V617Fという腫瘍形成にかかわる変異が、JAK2遺伝子の2つの親アレル間で不均等に分布していることを観察した。そしてJAK2V617Fを選択的にもち、骨髄増殖性腫瘍の発症可能性を増加させるハプロタイプを同定した。今回得られた結果についての1つの解釈は、SNPの特定の組み合わせによって、当該ハプロタイプの体細胞変異誘発に対する感受性に違いが生じると考えられるというものである。したがって、疾患感受性座位は、疾患の発生機序に寄与する体細胞変異を内部にもっている可能性がある。

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