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肥満:共通の代謝経路ネットワークに影響を与える肥満症の原因遺伝子候補の検証

Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.325

複雑な形質の遺伝学を詳細に解明する際の重要な作業は、病気の形質の原因遺伝子を同定することである。我々はこれまでに、DNA多型、遺伝子発現、形質の情報を統合することにより、遺伝子間の因果関係を推測する方法を開発してきた。今回、内臓肥満の原因と予測されている遺伝子のトランスジェニックとノックアウトマウスを用いて我々の方法を検証した。9つの遺伝子のうち8個の遺伝子において肥満関連の形質に有意な変化がみられた。そのうちGas7Me1Gpx3は新しく確認されたものである。肝臓の発現プロファイルの結果、内臓肥満に寄与する共通の代謝経路とネットワークの変化がみられ、マウスとヒトの代謝形質とよく関連する、マクロファージの多い代謝ネットワークモジュールと重なっていた。古典的なF2交雑研究と、遺伝子発現データの設計を統合することにより、原因遺伝子を高精度に予測し、そこにかかわる経路ネットワークを同定することが可能となる。

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