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鉄代謝:骨形成タンパク質BMP6の欠如は大量の鉄過剰を引き起こす

Nature Genetics 41, 4 doi: 10.1038/ng.320

腸の鉄吸収の主要な調節因子であるヘプシジンの発現は、in vitroでは、BMP2、BMP4およびBMP9を含む、いくつかの骨形成タンパク質(BMP)によって誘導されうる。しかし、BMP6とは異なり、他のBMPの発現はin vivoでは鉄によってmRNAレベルでは調節されず、また、その鉄ホメオスタシスへの関連は明らかになっていない。本論文では、マウスにおいて遺伝子ターゲティングによりBmp6を破壊すると、肝臓、膵臓外分泌腺の腺房細胞、心臓および腎臓の曲尿細管に、急速に多量の鉄蓄積が引き起こされることを示す。このような重度の鉄過剰にもかかわらず、Bmp6欠損マウスの肝臓では、リン酸化されたSmad1、Smad5およびSmad8のレベルが低く、また、これらのSmadで核に移行しているものはわずかである。さらに、ヘプシジン合成は明らかに低下している。これはBmp6が鉄ホメオスタシスに重要であり、Bmpサブファミリーに属する他の因子では補えない機能があることを示すものである。特に、Bmp6欠損マウスは炎症に応答してヘプシジンを誘導する能力を保持している。鉄負荷は、古典的なヘモクロマトーシス(Hfe)に関連する遺伝子の欠損マウスよりも、Bmp6変異マウスで明らかに大きいことから、BMP6の変異が、遺伝的基盤の特徴がまだ明らかになっていない重症の若年性ヘモクロマトーシスのヒトにみられる鉄過剰の原因であるかもしれないことが示唆される。

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