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糖尿病:IRS1近傍の遺伝的多型は2型糖尿病、インスリン抵抗性、高インスリン血症と関連している

Nature Genetics 41, 10 doi: 10.1038/ng.443

ゲノムワイド関連解析により、2型糖尿病(T2D)の遺伝的リスクの一部のみを説明する頻度の高い多型が同定された。1,376人のフランス人のゲノムワイド関連データを用いて、わずかにでもT2Dと関連している16,360個のSNPを同定し、これらのSNPについて独立した4,977人のフランス人で検証した。次に、上位28のSNPについて、7,698人のデンマーク人を用いて再現性を調べ、強い関連を示す4個のSNPを同定した。このうちの1個(rs2943641、P=9.3×10-12、OR=1.19)は、インスリン受容体基質1遺伝子(IRS1)に隣接していた。過去に報告された、β細胞機能障害と主に関連していたT2Dのリスク遺伝子座と違い、rs2943641のC対立遺伝子は、14,358人のフランス人、デンマーク人、フィンランド人参加者からなる集団コホートにおいて、インスリン抵抗性および、高インスリン血症と関連していた。この対立遺伝子はまた、ヒト骨格筋生検でのIRS1タンパク質の基底状態での低下、およびIRS1に付随したホスファチジルイノシトール-3-OHキナーゼのインスリン誘導活性低下と関連していた。

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