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糖尿病:KCNQ1遺伝子内のある種の多型は2型糖尿病の発症と関連している

Nature Genetics 40, 9 doi: 10.1038/ng.207

日本人の2型糖尿病1,612症例、および1,424の対照群で100,000個のSNPを用い、全ゲノムを対象に多段階関連解析を行った。最も有意の関連は、KCNQ1遺伝子内のSNPで得られ、遺伝子内の高密度マッピングから、イントロン15に存在するSNPであるrs2237892について、最低のP値(6.7x10-13、オッズ比(OR)=1.49)が得られた。KCNQ1遺伝子と2型糖尿病との関連は韓国、中国およびヨーロッパの家系を含む集団とさらに2つの独立した日本人の集団でも再現され、総数19,930人(9,569症例と10,361の対照群)によるメタ解析で、rs2237892についてP値1.7x10-42(OR=1.40、95%CI=1.34−1.47)が得られた。インスリン分泌能を膵β細胞のホメオスタシスモデルあるいは補正したインスリン応答で評価すると、対照群の被験者のなかでは、この多型のリスク対立遺伝子は、インスリン分泌の低下に関連していた。本研究の成績は、KCNQ1遺伝子がさまざまな人種で糖尿病の感受性遺伝子であることを示唆している。

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