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PTEN:上皮のPtenは腸管のホメオスタシスには不要であるが、Apc変異にともなう腺がんの発生および進行を抑制する

Nature Genetics 40, 12 doi: 10.1038/ng.256

PTENはさまざまな種類の組織で腫瘍抑制因子として作用しており、さらに、腸管上皮幹細胞の調節に関係しているとみなされている。腸におけるPtenの機能を詳細に調べるため、コンディショナルトランスジェニックマウス作出法を用いて腸管上皮のPtenを特異的に欠失させた。その結果、成体もしくは胚の上皮細胞集団でPtenを欠失させても、上皮のホメオスタシスは正常に、変わりなく構築されることが明らかになった。ところが、Apcが欠損した状況下でPtenが欠失していると、Aktの活性上昇によって腫瘍形成が促進される結果、腺がんが急速に発生していた。以上の結果から、Ptenは、その他の点では正常な、腸管上皮および上皮幹細胞においては重要な役割をもたないが、Wntシグナル伝達が活性化されている状況では、腺がんへの進行を、Aktの活性化レベルを調節することで抑制していると結論づけた。

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