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根の発達:低リン酸培地に根端が接触すると植物は根の構造を改める

Nature Genetics 39, 6 doi: 10.1038/ng2041

植物の根は土壌中の養分量を感知する能力をもつ。不均一に分布する水および無機質を得るため、植物は根の構造を最適化している。土壌のリン酸(Pi)欠乏に対する植物の応答で理解が進んでいないもののひとつに、主根の伸長を抑制しながら側根を増加および伸長させるというものがある。本研究では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の主根の根端が低Pi培地と物理的に接触することが根の伸長阻害に必要十分であることを明らかにする。さらにその阻害は、Low Phosphate Root1LPR1)およびその近縁のパラログであるLPR2の機能喪失変異によって強く抑制されることもわかった。LPR1はすでに主要な量的形質遺伝子座(QTL)としてマッピングされており、このQTLの分子的起源は根冠でのLPR1対立遺伝子の差次的発現によって説明される。今回の結果により、養分欠乏の感知またはそれに対する応答、場合によってはその双方に対する根冠の関与に関して、強力な証拠が得られた。LPR1およびLPR2はマルチ銅オキシダーゼ(MCO)をコードしており、植物の発達でMCOが担う重要な役割が浮き彫りにされた。

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