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乳癌:エストロゲン受容体アルファ(ESR1)遺伝子の増幅が乳癌で頻繁に認められる

Nature Genetics 39, 5 doi: 10.1038/ng2006

我々は、乳癌での遺伝子コピー数の変化を調べるために、アフィメトリクス社の10K SNPアレイを使用し、6q25のエストロゲン受容体アルファをコードするESR1遺伝子の単一遺伝子増幅を検出した。次に、2,000以上の臨床乳癌試料を使った組織マイクロアレイ解析を行った結果、乳癌の20.6%でESR1の増幅が認められた。ESR1遺伝子増幅を伴わない癌では66.6%においてエストロゲン受容体タンパク質の過剰発現が認められたのに対し、ESR1遺伝子増幅を伴う場合は99%の腫瘍において過剰発現が認められた(P < 0.0001)。175人のタモキシフェン単独補充療法を受けた患者を調べた結果、エストロゲン受容体を発現している癌においてESR1遺伝子の増幅を認めない女性に比べてESR1遺伝子の増幅を認める癌をもつ女性の方が生存期間は有意に長かった(P = 0.023)。注目すべきことにはまた、良性もしくは前癌状態の乳腺においてもESR1遺伝子増幅を認められた。このことはESR1遺伝子の増幅は増殖性乳腺疾患における共通の機構であり、多くの乳癌において起こる非常に早期の遺伝的変化であることを示唆している。

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