Letter

高中脂肪血症:LMF1の突然変異により、複合リパーゼ欠損と重症高中性脂肪血症が起こる

Nature Genetics 39, 12 doi: 10.1038/ng.2007.24

高中性脂肪血症は、メタボリック症候群、糖尿病、動脈硬化、肥満を含む多くの病気の予測因子となっている。よく知られた原因の1つに、血漿中性脂肪分解に関わる重要な酵素であるリポタンパク質リパーゼ欠損がある。複合リパーゼ欠損変異(cld)をもつマウスは、小胞体(ER)におけるLPLおよび関連酵素である肝性リパーゼ(HL)の合成初期のペプチド成熟障害にもとづくLPLとHL活性の減少により、重症の高中性脂肪血症を示す。本論文では、cld変異の原因遺伝子がTmem112であることを同定し、その遺伝子をLmf1(Lipase maturation factor 1)と改名した。Lmf1は、機能未知の進化的に保存されたドメインをもつ、ERに局在する膜貫通タンパク質をコードしている。LMF1のホモ接合性有害変異をもつ患者は、複合リパーゼ欠損とそれに伴う高中性脂肪血症を示す。このようにリパーゼ活性に大きな影響を与えることから、LMF1が、高中性脂肪血症の重要な候補遺伝子として浮かびあがってきた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度