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発癌性:Trim24Tif1α)遺伝子機能の喪失によりレチノイン酸受容体αが発癌活性をもつようになる

Nature Genetics 39, 12 doi: 10.1038/ng.2007.15

肝細胞癌(HCC)は世界的に主要な死因である。本論文では、リガンド依存的な核受容体コレギュレーターであるTrim24(別名、Tif1α)のマウスでの機能が、肝臓特異的な腫瘍抑制因子であるという証拠を示す。Trim24ヌルマウスでは、肝細胞は新生仔から成体への移行過程で、細胞周期から適切に逸脱することができず、成体の肝臓で細胞周期を繰り返し、転移性HCCへ進行させる細胞変化が続く傾向があるようになる。我々は、薬理学的なアプローチを用い、Trim24-/-マウスでレチノイン酸シグナル伝達を抑制すると、肝細胞増殖が非常に低下することを示す。さらに、Trim24ヌルの遺伝的背景で、レチノイン酸受容体α(Rara)のただ1つの対立遺伝子を欠失させると、HCCの発症が抑制され、肝臓でのレチノイン酸応答遺伝子の発現が野生型に回復することを示す。その結果、この遺伝的背景でのRaraは、レチノイン酸シグナル伝達経路の調節異常に関連する発癌活性を示すことを明らかにする。我々の結果は、Trim24とRaraが拮抗的に肝細胞癌の発症を共同で調節するという遺伝的な証拠を示すだけではなく、Raraの異常な活性化が肝臓の恒常性に有害であることも示唆している。

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