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発現QTL:ヒトリンパ球における大規模な転写プロファイルを用いた発現QTLの発見

Nature Genetics 39, 10 doi: 10.1038/ng2119

遺伝子発現の量的な違いは、個体間の形質の違いに貢献していると考えられている。San Antonio Family Heart Studyにおいて1,240人の患者から得たリンパ球サンプルを用いて、ゲノムワイドな転写プロファイルを作成した。19,648の検出された常染色体の転写のうちの85%の発現レベルが有意に遺伝性であった。連鎖解析は、5%の誤発見率で、シスで調節される転写産物を1,000以上見いだした。また、最も有意な連鎖の証拠が得られた発現QTL(量的形質遺伝子座)は、各転写産物の構造的な座位に位置することが多かった。ヒトにおいて複雑な形質に影響する遺伝子を発見する際に、この補強されたシス調節転写産物地図の有用性を明らかに示すために、1つの例として、高密度リポタンパク質コレステロール濃度を、臨床的に重要な表現型として選択した。そして、高密度リポタンパク質コレステロールの濃度に影響する内在の配列変異として、私たちはシスに調節されるvanin1(VNN1)遺伝子を同定した。

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