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Damを用いた同定法を使ったキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のバイソラックス複合体遺伝子における長い区間にわたる調節相互作用の探索

Nature Genetics 38, 8 doi: 10.1038/ng1833

およそ300 kbのシス作動性領域によって、3つのバイソラックス複合体(BX-C)ホメオティック遺伝子(つまりUbxabd-AおよびAbd-B)の発現が制御される。この複合体領域内の多数のエンハンサーやサイレンサーの間に散在するのが、ドメイン境界と呼ばれる配列である。近年、多くの証拠から、この境界領域が、境界領域間で相互作用することやクロマチンループを形成することによって、自律的なドメインを生み出すように機能することが示唆されている。我々は、この仮説を検討するために、Damを用いた同定法を使用し、BX-Cに存在するFab-7境界領域とその他の領域との間の相互作用を調べた。意外なことに、Fab-7境界領域へDamメチルトランスフェラーゼ(Dam)を標的すると、およそ35 kb離れたAbd-Bmプロモーターに対する強いメチル化シグナルとなることが見いだされた。そのうえ、このメチル化パターンは、主にAbd-Bが発現していない組織において見いだされ、完全なFab-7境界領域を必要とする。これらの結果は、生きている多細胞生物内の遠く離れた調節配列間での動的で長い区間にわたる物理的な相互作用に関する最初の報告例である。

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