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洞窟魚(メキシカンテトラ)の遺伝解析は、白化が進化していく過程における分子レベルの収束を明らかにする

Nature Genetics 38, 1 doi: 10.1038/ng1700

脊椎動物の形態進化についての遺伝的機序を自然発生的な集団において考察することは、これまできわめて困難であった。本論文で我々は、洞窟型メキシカンテトラにおいて進化に由来した形態の量的形質解析を可能にする全ゲノム連鎖地図の作成について述べる。ここで、洞窟型メキシカンテトラは、一連の互いに無関係な洞窟において、独特の、よく研究された生態学的環境に適応するために繰り返し進化した、特化した特徴的な形態を示す生物種である。我々は白化(albinism)という形質に注目し、この形質が2つの洞窟型集団において既知の色素沈着遺伝子であるOca2に連鎖していることを見いだした。我々は、それぞれの集団においてOca2の異なる部分が欠失していることを見つけ、細胞にもとづいた検査法によって、両集団での欠失がともにその対応タンパク質であるOCA2の機能喪失を引き起こしていることを示した。したがってこれらの2つの洞窟型集団は、よく似た突然変異によって、白化を別個に進化させていたことがわかる。

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