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ヒトゲノムの欠失多型の高解像度精査

Nature Genetics 38, 1 doi: 10.1038/ng1697

最近の研究により、コピー数の多型はヒトゲノムにおける遺伝的多様性の重要なクラスに属することがわかってきた。本論文では、両親と子供の3人組(トリオ)より得られたSNP遺伝子型データを使って、欠失多型を同定する新しい方法を報告する。この方法を国際ハップマッププロジェクトで得られたデータに適用し、人口集団に対する欠失多型についての高解像度精査を初めておこなった。これらの欠失の約100は、オリゴヌクレオチドマイクロアレイ(ゲノムタイリングの解像度)を用いた比較ゲノムハイブリダイゼーションにより実験的に検証された。我々の解析により、1つもしくはそれ以上の家系において、合計586個の欠失多型をもつ異なった領域が見いだされた。特に、典型的な個人には、5kbを超える欠失がおよそ30〜50個あり、合計で550〜750kb程度からなるゲノム上のユークロマチン領域が半接合体であると推測される。見いだされた欠失は、合計267の既知もしくは予測された遺伝子にわたって存在している。しかし全体的には、欠失がみられる領域は比較的遺伝子が少ない領域で、欠失を無効にするよう働く選択圧の方向と矛盾しない。欠失多型は複雑な形質の遺伝学において重要な役割をもつものであるが、現在使用されている遺伝子マッピング研究ではほとんど見つけることができない。我々の新しい方法を用いれば、トリオやほかの家系データの高密度SNP解析により欠失多型を同定することが可能となる。

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