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ロイコトリエンA4ヒドラーゼをコードする遺伝子の変異が民族特異的な心筋梗塞のリスクに寄与する

Nature Genetics 38, 1 doi: 10.1038/ng1692

アラキドン酸5リポキシゲナーゼ活性化タンパク質をコードするALOX5AP遺伝子(FLAPとしても知られる)の変異は、心筋梗塞のリスクと関連することが知られている。本論文では、ALOX5APと同じ生化学経路にあるタンパク質である、ロイコトリエンA4ヒドラーゼをコードするLTA4H遺伝子領域のハプロタイプ(HapK)が、アイスランド人のコホートにおいて心筋梗塞の軽度のリスクとして寄与することを示す。ロイコトリエンB4(LTB4)産生を測定した結果、このリスクはロイコトリエン経路の活性が促進されたことによると推測された。アメリカでの3つのコホートもまたHapKがヨーロッパ系アメリカ人では軽度(1.16)のリスクであるのに対し、アフリカ系アメリカ人では3倍もの大きなリスクになることを示している。アフリカ系アメリカ人のコントロールでは、少なくとも1つのHapKのコピーをもつ者は6%しかいないのに比べて、ヨーロッパ系アメリカ人のコントロールでは約27%が相当する。我々の解析ではHapKはアフリカ人においては非常に稀でアフリカ系アメリカ人においてみられるのは、ヨーロッパ人との混血によるものであることを示している。アフリカ系アメリカ人においてより多くみられる他の遺伝的あるいは環境的危険因子との相互作用が、このグループにおけるHapKによってもたらされる大きな相対的リスクの説明となりうるであろう。

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