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口・顔・指I型タンパク質(Oral-facial-digital type I protein)が一次繊毛形成および左右軸の形成に必要である

Nature Genetics 38, 1 doi: 10.1038/ng1684

口・顔・指 I型(OFD1)症候群(OMIM 311200)はヒトの発達障害であり、その患者は頭蓋顔面および指趾の異常を示し、症例の15%に多発性嚢胞腎が認められる。この疾患はX連鎖性で優性の雄性致死形質として遺伝する。我々は、Cre-loxPシステムを使用して、Ofd1を欠損するノックアウト動物を作製し、この疾患の主要な特徴を再現した。その重症度が高くなっているが、これはおそらくヒトとマウス間のX染色体不活性化のパターンが異なっているためである。我々は、変異をもつ雄胚においては左右軸の形成に異常があることを見いだし、また、超微細構造解析から胚のノードにおける繊毛の欠如が示された。繊毛の形成はヘテロ接合性雌の嚢胞腎においても欠如しており、嚢胞発達の根本機構に繊毛形成が関与することが示される。さらに我々は、Ofd1欠損マウスの肢芽において、神経管のパターン形成の異常および5’HoxaHoxd遺伝子の発現変化を見いだした。このことは、Ofd1が一次繊毛の形成および構築を超えた役割を担いうることを示唆している。

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