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自然発生的なトランスポゾンの逆位重複によって開始される遺伝性トランスポゾンサイレシング

Nature Genetics 37, 6 doi: 10.1038/ng1576

遺伝子サイレンシングは、トランスポゾンなどのゲノム上の寄生遺伝子に対する防衛手段として進化したとされている。この考え方は、安定してサイレシングを受けているトランスポゾンを活性化させる突然変異の解析にもとづいたものである。また、こうした変異は、サイレシングの開始でなく維持に影響を及ぼすものである。本論文で我々は、サイレンシングを受けていなければ転写活性の高いトウモロコシのMuDRトランスポゾンを、世代を超えてサイレンシングする自然発生的な遺伝子座に注目し、そのクローニングと特性解析について述べる。この遺伝子座、Muキラー(Muk)は、自律性因子MuDRが部分的に欠失したものが逆位重複することによって生じており、ゲノム欠失の切断点に位置している。Mukは、プロセシングを受けて低分子RNAとなるヘアピン構造をもつハイブリッド転写産物を生成する。これらの低分子RNAは、標的MuDR転写物が存在する場合に増幅される。Mukは、転写活性の高いトランスポゾンファミリーに対して遺伝性サイレンシングを開始させる能力をもつ、自然発生したトランスポゾン変異の最初の例である。さらに、トランスポゾンによって生じた逆位重複は、遺伝子サイレシングに用いられる二本鎖RNAの生成に重要であると思われる。

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