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赤血球系細胞における効率的なトランスフェリン依存的鉄の取り込みに必要とされる３価鉄還元酵素の同定

2005年11月1日 Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1658

鉄の還元はトランスフェリン（Tf）サイクルに不可欠なステップである。また、このサイクルは赤血球前駆細胞による鉄の取り込みでは優位な経路である。赤血球による鉄の獲得が不足すると、低色素性、小球性の貧血となる。我々は、ポジショナル・クローニングの戦略を使って、nm1054という変異マウスにおいて鉄欠乏性貧血の原因となる遺伝子として、前立腺6回膜貫通型上皮抗原3（Steap3）を同定した。Steap3は造血組織において発現が高く、Tfサイクルエンドソームと共局在し、Tf結合型鉄の取り込みを促進する。Steap3はF₄₂₀H₂と相同性を共有する。F₄₂₀H₂は酵母の金属還元酵素FREファミリーと同様に、古細菌やバクテリアにおいて発見されたNADP⁺酸化還元酵素である。Steap3を過剰発現させると、鉄の還元を促進する。また、Steap3を欠くマウスは赤血球系細胞の3価鉄還元酵素活性が欠如している。総合すればこれらの所見は、Steap3 が、赤血球系細胞における効率的なTf依存的鉄の取り込みに必要なエンドソーム3価鉄還元酵素であることを示すものである。

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