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セレンタンパク質Sにおける遺伝的差異は免疫応答に影響を与える

Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1655

慢性炎症は、多くのありふれた疾患において病理学的な役割を担っており、遺伝因子および環境因子の両方によって影響を受ける。本論文では、小胞体のストレス応答と炎症制御に関与する遺伝子であるセレンタンパク質S(SEPS1、別名SELSあるいはSELENDS)にみられる遺伝的差異の役割を評価する。SEPS1の配列を再決定し、92家系の522人において13のSNPを分類した。炎症のバイオマーカーとして、IL-6、IL-1βおよびTNF-αの血漿中濃度を測定した。ベイズの量的形質ヌクレオチド解析により、SEPS1多型と3つすべての前炎症性サイトカインとの関連を同定した。1つのプロモーター変異(-105G→A)が各サイトカインと強く関連する証拠(多変量P=0.0000002)を示した。この多型の機能解析により、A変異では小胞体ストレス物質への暴露後には、SEPS1の発現が有意に低下していることが示された(P=0.00006)。さらに、マクロファージ細胞において短鎖干渉RNAによりSEPS1を抑制すると、IL-6とTNF-αの放出が増加した。この観察された関連の重要性をさらに調査するため、我々は追試として23家系419人のメキシコ系アメリカ人において-105G→Aのタイピングをおこなった。この解析から、TNF-α(P=0.0049)とIL-1β(P=0.0101)の両方との有意な関連が確認された。これらの結果は、SEPS1と炎症性サイトカインの生産メカニズムには直接の関連があることを示すものであり、SEPS1には炎症を仲介する役割があることが示唆される。

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