Technical Report

マウスとヒトゲノムをカバーする第2世代shRNAライブラリー

Nature Genetics 37, 11 doi: 10.1038/ng1650

機能喪失性表現型は、生化学的な経路のつながりやその生物学的な機能を理解する上でしばしば鍵を握る重要性をもつ。我々およびその他のグループは以前に、哺乳類細胞においてRNA干渉により誘導される形質を系統的に解析することを可能にする短いヘアピンRNAのライブラリーを作製した。今回我々は、RNA干渉に関して得られた生化学的知識をもとにデザインした第2世代の短いヘアピンRNA(shRNA)発現ライブラリーを作製し、その検証を行ったので、ここに報告する。用いたコンストラクトは、生物のもつマイクロRNA一次転写産物を真似してデザインしたサイレンシングトリガーを含むもので、各標的配列は小さいRNAが働く上での最適な熱力学的閾値をもとに選んだ。生化学的なアッセイと表現型のアッセイをおこなった結果、新しいライブラリーは第1世代のものに比べてはるかに改善されていることがわかった。我々はそこで、ヒトとマウスにおいて予測されている遺伝子のかなりのものを含む、140,000を超える数の第2世代shRNA発現プラスミドを大規模に並べたライブラリーを作成した。これらのプラスミドに挿入されている配列は検証済みであり、ライブラリーは一般に利用可能な状態にある。

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