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シス作用性調節領域はGnasの組織特異的インプリンティングに排他的に必要である

Nature Genetics 36, 8 doi: 10.1038/ng1398

ゲノムインプリンティングは、親の起源にしたがって対立遺伝子特異的サイレンシングを引き起こす。サイレンシングは、配偶子形成時に親の由来によって異なる印を付されたシス作用性調節領域によって制御される。この調節領域は何百キロベースにもわたって作用し、多くの遺伝子がサイレンシングされる。2つのインプリンティング制御領域(ICR)の候補が、マウス2番染色体遠位部に存在する密なGnasインプリンティング遺伝子クラスター部位に見つかった。1つはGnas自身の上流のエキソン1Aで、もう1つはGnasxlおよびアンチセンスNespasのプロモーターをカバーするものであった。このインプリンティング遺伝子クラスターは複雑で、複数のエキソンを共有し、両方の対立遺伝子から発現する母方由来および父方由来の転写が起こる。Gnas自身は、両方の対立遺伝子から主に発現しているが、特定の組織では父方由来の転写がやや抑えられている。本論文では、エキソン1Aにある、生殖細胞系列において異なってメチル化される領域のうち、父方由来のものを欠失させることにより、Gnasの組織特異的インプリンティングが消失することを示す。これは、母方由来のGnasに変異をもつマウスの異常な形質を元に戻す。クラスター中で選択的に転写されるNesp Gnasxl Nespasのインプリンティングは影響を受けなかった。この結果は、エキソン1A のうち異なってメチル化される部位は、Gnasを特異的に制御するインプリンティング調節配列を含んでおり、またその配列は、少数の組織でのみ弱くインプリンティングされている、ある遺伝子に特徴的なICRに含まれることを示している。選択的な転写を調節している2つ目のICRがあるに違いがないと考えられる。

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