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p38経路はSWI-SNFクロマチンリモデリング複合体を筋特異的遺伝子座にターゲットする

Nature Genetics 36, 7 doi: 10.1038/ng1378

骨格筋形成過程において、最終分化のためのゲノムのリプログラミングは、クロマチン修飾酵素を筋特異的遺伝子座に動員することによって達成される。これらの酵素を個々の遺伝子にターゲットする細胞外のシグナル伝達カスケードの相対的な寄与は知られていない。本論文で我々は、分化にともなって活性化されるp38経路が、SWI-SNFクロマチンリモデリング複合体を筋の遺伝子座にターゲットすることを示す。分化において、p38キナーゼは筋調節エレメントのクロマチンに動員された。p38α/βの阻害により、これらのエレメントへのSWI-SNF複合体の動員が阻害され、筋遺伝子の転写が抑制された。このとき筋調節因子およびアセチルトランスフェラーゼのクロマチンへの結合に影響はなかった。SWI-SNFのサブユニットであるBAF60は、in vitroにおいてp38α/βによりリン酸化された。また、筋芽細胞に構成的活性型のMKK6を発現させることによりp38α/βを強制的に活性化させると、ミオゲニンプロモーターへ予定外にSWI-SNFの動員が促進された。逆に、SWI-SNFの酵素サブユニットの不活性化により、MKK6依存的な筋遺伝子の発現誘導が抑制された。これらの結果は、SWI-SNFを筋調節エレメントに選択的にターゲットすることにより、外的刺激を別々の遺伝子座でのクロマチン修飾に変換するという、分化にともなって活性化されるp38のもつ予期せぬ機能を同定するものである。

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