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細胞系統特異的転写因子PU.1の定量的な減少によって引き起こされる急性骨髄性白血病

Nature Genetics 36, 6 doi: 10.1038/ng1361

転写因子は急性骨髄性白血病 (AML)において主要な役割を担っていると考えられている。この考えは、遺伝子ノックアウトマウス解析(正常な造血においていくつかの転写因子がきわめて重要な役割を果たしていることを明らかにした)と、白血病患者の研究(転写因子が高頻度で下方制御されていたり、変異していたりする)により証明されている。しかしながら、ノックアウト動物の解析は、抑制された転写因子とAMLの病因の間に直接の関連を示してはいない。Sfpi1は、細胞系統特異的転写因子PU.1をコードしており、正常な骨髄系およびリンパ球系の発生に必須である。我々は、正常レベルの20%にまでPU.1の発現が減少する低形質発現型のSfpi1対立遺伝子をもつマウスが、AMLを発症することを見いだした。Sfpi1をホモあるいはヘテロ接合性で欠損しているマウスでは、AMLの発症はみられなかった。PU.1の完全あるいは50%欠損と異なり、80%欠損では前癌状態が引き起こされた。すなわち、M-およびGM-CSF経路は機能していないがG-CSFに対する反応性は保持している異常な前駆細胞プールが蓄積された。悪性の形質転換は高頻度のクローン性の染色体変化と関連していた。レトロウイルスを用いてPU.1の発現を回復させると、変異した前駆細胞およびAML芽球が骨髄系へ分化するようになった。これらの結果は、細胞系統に必須の転写因子の、完全な欠損よりも、厳密に定量的な減少がAMLを引き起こしうることを示唆している。

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