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低分子ヒートショックタンパク質22のホットスポット残基が遠位型の運動性ニューロパチーの原因となる

Nature Genetics 36, 6 doi: 10.1038/ng1328

遠位型の遺伝性運動性ニューロパチーは、末梢神経系の純粋な運動障害で、結果として遠位の四肢筋肉の重度の萎縮および消耗を引き起こす。染色体12q24.3に連鎖する遠位型の遺伝性運動性ニューロパチーII型の2つの家系において、我々は、22kDaの低分子ヒートショックタンパク質8(HSPB8にコードされ、HSP22とも呼ばれる)における同じ変異 (K141N)を同定した。また、2つの小さな家系では別な変異(K141E)が同定された。両方の変異は同じアミノ酸を標的としており、このアミノ酸は、低分子ヒートショックタンパク質αA-クリスタリンが構造的および機能的に完全であるために不可欠な部位である。この残基は正に帯電しており、他の低分子ヒートショックタンパク質で変異が起きた場合、さまざまなヒト疾患が引き起こされている。共免疫沈降実験により、両方のHSPB8変異体では、相互作用する相手であるHSPB1に対する結合が増強していることが示された。培養細胞においてHSPB8変異体を発現させると、細胞内の凝集体形成が促進された。我々の所見は、ヒートショックタンパク質の変異が、神経変性疾患において重要な役割を担っているというさらなる証拠を示すものである。

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