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Hfe依存的な経路はマウスにおいてリポ多糖誘導の炎症に応答して低鉄血を仲介する

Nature Genetics 36, 5 doi: 10.1038/ng1350

炎症は体全体の鉄のバランスに影響を与える。この変化の一般的な臨床症状は慢性疾患にともなう貧血 (ACD、 炎症にともなう貧血とも呼ばれる)である。炎症は、十二指腸の鉄吸収を減少させるとともに、マクロファージの鉄の保持を増加させ、その結果、低血清鉄濃度 (低鉄血、hyposideremia)となる。低鉄血には微生物の増殖を抑える生体防御作用があるのだが、この「鉄の出し控え」により、成熟赤血球の利用できる鉄が減少し、結局、貧血の発症に寄与することになる。抗菌ペプチドであるヘプシディン (Hamp)は、肝臓のデフェンシン様ペプチドホルモンで、十二指腸の鉄吸収とマクロファージの鉄放出を抑制する。Hampは、II型の急性期反応の一部を担っており、ACDにおける鉄出し控えに関して重要な調節機能をになっていると考えられる。ヘモクロマトーシス遺伝子産物であるHfeが欠損しているマウスは、リポ多糖投与後に一般的な炎症反応を示したが、Hampの相当する発現を欠き、低鉄血を発症しなかった。これらのデータから、自然免疫およびACDにおけるHfeのこれまでに同定されていなかった役割が示唆される。

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