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OCTN陽イオントランスポーター遺伝子の機能的変異型がクローン病と関連

Nature Genetics 36, 5 doi: 10.1038/ng1339

クローン病は消化管の慢性炎症性疾患である。染色体5q31にある約250kbの遺伝子座(IBD5)は、以前にクローン病の感受性と関連があることが報告されており、クローン病の患者の間で11個の一塩基多型からなる易罹患性ハプロタイプが多いことが示されていた。しかしながら、その領域にある病因遺伝子は未だに同定されていない。本論文では、ここに、5q31の領域にクラスターをなして存在する有機陽イオントランスポーター2つにみられる変異型(SLC22A4のミスセンス置換と、SLC22A5のプロモーター領域のG→C塩基転換型突然変異)からなるハプロタイプが、クローン病に対する感受性と関連することを報告する。これらの変異型は、有機陽イオントランスポーターの発現と機能を変化させ、クローン病と関連するある別の遺伝子CARD15の変異型と相互作用することにより、クローン病のリスクを増す。これらの結果はSLC22A4SLC22A5CARD15が共通の病態発症経路上で働き、クローン病を引き起こしうることを示唆する。

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