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ヒトにおける集団構造が大規模関連研究に与える影響

Nature Genetics 36, 5 doi: 10.1038/ng1337

大規模関連研究は、ヒトの一般的な疾患の遺伝的基礎を解明する上で非常に大きく貢献しうる。そのような研究のなかでよく知られた問題の1つに、未検出の集団構造の存在があり、これがあると擬陽性の結果が出たり、真の関連がみつからなかったりする。我々は、3つの集団において行われたゲノム全体におよぶ一塩基多型約15,000のタイピングを用いて、集団構造が次の世代の関連研究解析結果に及ぼす影響について検討を行った。集団構造が関連研究の解析結果へあたえる影響は、サンプルのサイズが大きくなるにつれて顕著に増大した。一般的疾患の研究で典型的な遺伝的影響の探索に必要となるサンプルサイズでは、集団内でのわずかな集団構造であっても無視すると危険である。我々はまた、集団構造を補正するある方法(ゲノム対照法)について検証した。この方法はしばしばうまくはたらくが、あまりにも少ない座位が用いられた場合は構造を修正しえなかったり、過修正を行ったりする場合があり、本来の力が十分に発揮されない。我々の解析の結果は、大規模関連研究の設計を行ううえでの指標となりうる。

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