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SUMO修飾が線虫のポリコーム群タンパク質SOP-2による in vivoでのHox遺伝子の調節に必要である

Nature Genetics 36, 5 doi: 10.1038/ng1336

ユビキチン類似分子SUMOによるタンパク質の翻訳後修飾(SUMO化)は、in vitroにおいてタンパク質の細胞内局在を調節し、その機能的特性に影響を与えるが、多細胞生物におけるSUMO化の生理的機能はほとんど知られていない。本論文では、線虫(Caenorhabditis elegans)のポリコーム(Polycomb)群(PcG)タンパク質SOP-2が、進化的に保存されたSAMドメインを介してSUMO結合酵素UBC-9と相互作用することを示す。SOP-2のSUMO化が、 in vivoにおけるSOP-2の核小体への局在およびHox遺伝子群の生理的な抑制に必要である。SUMO化を全体的に阻害すると、sop-2変異に似た表現型を示し、異所的なHox遺伝子の発現およびホメオティックな形質転換が引き起こされる。SOP-2のSAMドメインをショウジョウバエあるいは哺乳類由来のPcGタンパク質のSAMドメインに置換したキメラは、in vivoにおいて適切に核へ局在し、また、Hox遺伝子を抑制する。しかし、非PcGタンパク質のSAMドメインに置換した場合はこうならなかった。これらの観察は、PcGタンパク質のSUMO化は、進化的に保存されたSAMドメインによって調節され、Hox遺伝子の生理的な抑制に不可欠であることを示している。

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